育児とは

基本的に1歳の息子をお風呂に入れるのは僕の係。しかしながら、家に居れないことも多いので妻に任せてしまうことも多い。自分が家に居る限りはお風呂に入れてやろうと張り切る。

 

ある時妻が息子をお風呂に入れているとなかなか出てこない。お風呂をちらっと覗くと妻が息子の手を取ってお風呂遊び用の人形をタッチさせていた。「かえるさん、あひるさん、ぞうさん」。ああ、これがお風呂に入れるというものかと実感した。聞くと、息子は一時期、水恐怖症になってお風呂に入れようとしただけで泣き始めてしまうことがあったから、夏になってプールが嫌いにならないように、とのことだった。

僕のお風呂は、お風呂というより洗浄だ。ちゃっちゃちゃっちゃと石鹸を息子につけて流しておしまい。

 

お風呂だけではない、考えてみれば息子が騒いだり、ご飯のときにも、ちゃっちゃと抱っこして機嫌を取ったり、ただスプーンをお皿と口の間を往復させていた。僕の子育ての目標は「楽しい」とは何かを教えることだった。別にギターを弾くとか絵を描くことに触れさせるだけが楽しいことではない。日常にあることを楽しむ能力こそ、僕が本当に鍛えたいことだった。

この世界は呼吸をしているだけでもワクワクに満ち溢れているということを教えたい。