かしこいひと

同じようにメンタルに疾患を持つ女性と待ち合わせをして会話する時間をもてた。

 

彼女はとても元気がなさげに見えたが、時おり昔ながらの強い意思も垣間見ることができて、彼女の中でもゆらぎがあるようだった。

 

彼女はとてもかしこい人物だ。物事を多面的に捉えることができる。自分にストレスを与える相手の気持ちも、自分の気持ちも客観的に察することができる。だから「あいつが悪いんだよ!」なんて軽はずみには言えない。彼女の場合は頭で全て理解をしていて、感情だけがついていっていない感じだった。

ろくなアドバイスもできなかったが、なんだか近しいものを感じた。理解はしている、でも感情が追いつかない。きっと考えることではなく、身体感覚に身をゆだねることが大事なんだ。

空気を吸って気持ちいいこと、風が肌をなでる感覚、水が冷たい感覚、考えずに身体が感じることを、意味も考えずに感情へ伝えること。子供はきっとこれができているのだ。