スイッチ

朝、起きた時の気分は最悪だ。不安で心が満たされている。一生懸命「この不安は一過性の、世界の片隅のほんの小さな懸念でしかない」と言い聞かせるものの、考えは不安にロックされてしまっている。

心療内科で教えてもらったが、このストレスを受けた時に不安に感じるのを別のルートに切り替えてそらすことがセロトニンの役割なのだそうだ。ルートが切り替わらないから不安に心がロックされる。

そんなしんどい気持ちを抱えながら電車に乗り、本を読む。本を読む気にもなれなかったが、とにかく気を晴らすために。しばらく本の大事なところをメモを取りながら読み進めていると、ハッキリと自覚できた、スイッチが切り替わる瞬間。

心がふわっと軽くなり、パニックモードから通常モードに切り替わった。視野が広がり、晩御飯のおかずや週末の予定も考えられるようになった。

なるほど、これは明らかに脳の働きだ。本人のメンタルの強弱とかではなく、刺激に対する反応。熱いととっさに手を引くのがあたりまえのような反応なのだ。

先生は脳の仕組みと薬の効き方を意識するとぐっと良くなる確率は高くなると言っていた。このスイッチを意識してみよう。切り替えられるスイッチが存在するのだ。自分が性格としてメンタルが弱いと卑下することは無いのだ。

これが分かっただけでも今日はもうけもの、と思おう。