コンテンツの多様性と細分化と豊かさと

みんなちがってみんないい――「集団」になれても「団体」になれない私達
http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20130920/p1

資本主義が加速してあらゆるものを細分化してサービスや商品として提供するようになると、人の価値観も細分化した。鉄オタにも多様な分類があり、アニオタにも美少女系が好きな部類もあればロボットものが好きな部類もある。音楽は昔から多様性を持っていたがメインストリームがあった。しかしいまやメインストリームと言われているものも数ある音楽の1つでしかないという感覚が多くの人にある。
きっとこの多様性が物的な豊かさなのだけど、やはり精神的豊かさには全体として貢献したとしても個人には何も貢献していないのかもしれない。
価値が多様化した分、人が集まった時に共有する話題が少なくなり、自分が自分であれるのは家に帰った時か時間を超えることのできるネット環境で趣味の合う人と話す時だけ。ネット依存になるのも分からないでもない。人間は孤独に弱いからネタに群がって孤独を癒すのだ。

古いものが再評価されるのもよくわかる。その時代を共有した価値観で一体感を感じることができるのだ。懐かしい音楽、懐かしいCM、懐かしいテレビ番組。もし今の時代を何十年後かに振り返るときに同じような会話はできるのだろうか?「Youtubeであの動画見たよね~」「ボカロのあの曲良かったよね~」「倍返しのドラマ面白かったよね~」という会話になるだろうか。それに対して「そうそう!」「わかるわかる!」なんて会話をしている未来はあまり想像できない。